公開記録から考える

65件の予想を検算
本命勝利と収支のずれ、回収率の集中

本命の馬が勝った。だから予想は成功だった。公開記録を金額まで追うと、そう言い切れないケースが見えてきます。今回は、的中例を選ぶ前に期間全体を集計し、印・買い目・費用のどこで結果が分かれたかを確認しました。

公開: · 集計対象:2026年10月25日まで
編集責任:梅 陵真(アンシー)

1. 65件を、62競走と追加3案に分けて数える

対象は2026年4月12日〜10月25日の公開台帳65件です。同じ日・同じレース記事に付いた追加案をまとめると62競走になります。JRAの平地・障害、地方・海外の掲載分が混在しており、中央重賞全体の成績ではありません。別枠で掲載している海外参考記録など、台帳の主集計に含まれないものは本稿にも加えていません。

設定購入額の合計は65,500円、払戻は35,060円、差引は-30,440円です。回収率は35,060 ÷ 65,500 × 100 = 53.5%。実績ページの54%とは丸め桁が違います。

金額は公開買い目を所定額で検証したシミュレーションです。実際の購入明細や外部監査を示すものではありません。500円・1,000円・1,500円の案があるため、各案の回収率を単純平均せず、金額を合計してから割ります。

2. 本命が勝った13件のうち、7件は赤字だった

公開予想1件ごとに、本命着順と全買い目の損益を照合。払戻ゼロも赤字に含みます。
本命の結果黒字一部払戻・赤字払戻ゼロ合計
本命1着64313
本命2着以下7103552
全65件13143865

本命1着の13件は、黒字6件・赤字7件でした。赤字7件のうち3件は払戻ゼロです。一方、本命が勝たなかった52件にも黒字が7件あります。本命の評価と、相手・券種・配分による損益は別々に確認する必要があります。この台帳に着順未記録・収支ちょうどゼロの案はありません。

チャレンジCは本命1着でも1,000円→0円。皐月賞は本命1着で1,500円→1,350円です。「本命的中」だけではこの差が見えません。逆方向の例として、ローズSは本命12着でも1,000円→1,020円でした。

3. 6月の145.4%を、期間全体の成績にしない

月は台帳のレース日で区切り、追加案を含めて集計。4月は12日から、10月は25日まで。
月予想件数設定購入額払戻回収率
2026-0433,500円3,360円96.0%
2026-0587,500円3,490円46.5%
2026-0655,000円7,270円145.4%
2026-0788,000円3,010円37.6%
2026-081111,000円2,820円25.6%
2026-091313,500円3,380円25.0%
2026-101717,000円11,730円69.0%

この期間で月単位の収支がプラスだったのは6月だけです。その5件の払戻7,270円は、宝塚記念4,470円と函館記念2,800円からなります。6月の記事は5件の振り返りとして読めますが、そこだけを選んで通算の実力を説明することはできません。

月ごとにレース条件もモデル版も違うため、この表から季節の得手不得手やモデルの改善効果は判定しません。期間の切り方で印象が変わることを確かめる表です。

4. 払戻上位3件が、総払戻の28.8%を占める

払戻金額順。金額が同じ場合は台帳の掲載順。
レース日付払戻
宝塚記念2026-06-144,470円
毎日王冠2026-10-042,820円
函館記念2026-06-282,800円

上位3件の払戻は10,090円、総払戻35,060円の28.8%です。1件だけ大きく当たったときに期間成績がどれほど動くか、次のように確認できます。

事後の感度分析。除いた案は、購入額と払戻の両方を引きます。正式実績は「全件」のままです。
集計条件件数設定購入額払戻回収率
全件6565,500円35,060円53.5%
払戻最大の1件を除く6464,500円30,590円47.4%
払戻上位3件を除く6262,500円24,970円40.0%

除外したのは結果を見た後に選んだ的中例です。これは将来の回収率予測でも、「そのレースを見送れた」という再現でもありません。少数の払戻に数字がどれだけ依存するかを見るための補助計算です。

5. 追加案の費用を落とすと、黒字に見えてしまう

サウジアラビアRCの本案は1,000円→1,930円、追加3連単は1,000円→0円でした。本案だけなら193.0%ですが、両方を合わせると2,000円→1,930円、回収率96.5%、差引−70円です。この記事の台帳全件集計では追加案の費用も含めています。

台帳に記録された版名で分類。別期間・別レースなので性能比較には使えません。
区分件数設定購入額払戻回収率
v1.5.0固定枠2627,000円14,780円54.7%
追加案32,500円0円0.0%
裁量案33,000円990円33.0%

固定枠26件と、追加3案・裁量3案は別の区分です。残る旧版33件を合わせて65件になります。固定枠を追うときは26件、サイトの掲載案全体を読むときは65件と、分母を明示します。

6. CSVから同じ数字を確かめる

  1. CSVの1行は1つの公開予想です。entryは今回の行番号、dateはレース日、finishは本命着順、investedとpayoutは円単位の設定購入額と払戻です。
  2. invested列とpayout列をそれぞれ合計し、後者を前者で割って100倍します。個別の回収率を平均しません。
  3. 本命1着の比較ではfinish = 1を抽出します。黒字はpayout > invested、一部払戻でも赤字は0 < payout < invested、払戻ゼロはpayout = 0です。
  4. 月別表はdateの年月で集計します。競走数はdateと、urlから「#」以降を除いた組み合わせで数えます。同一競走の追加案も、購入額・払戻を合算します。
  5. 払戻集中の表はpayoutの降順です。上位を除く補助計算では、その行のinvestedも除きます。除外後を正式な通算実績に置き換えません。

次の記録で確かめたいこと

今回、確かめられたのは「本命1着」と「黒字」は一致しないこと、追加案の費用も集計しないと損益を読み違えることです。全期間の回収率は100%未満で、利益を生む仕組みを実証できた結果ではありません。

次に必要なのは、どの買い目がどの着順なら払戻を生むかを公開前に記録し、結果後に照合する作業です。外れた後で相手を1頭足した計算は改善案として分け、過去の実績へ加えないことも必要です。

この65件はレースの選び方もモデル版も混在しています。同じ競走の追加案は独立した試行でもありません。勝率推定、将来回収率、特定の配分ルールの因果効果まで、この集計だけで主張することはできません。

予想記事の読み方では1レースの買い目を追えます。期間全体の数値は更新中の実績一覧、版を区別した進捗はモデル別集計をご覧ください。