執筆・監修:梅 陵真(ANCY'S BRIEFING)
事後解析 vol.3
日本ダービー回顧 ── 本命◎コンジェスタス9着・回収率0%を直視する
2026年5月31日の日本ダービーは、◎6コンジェスタスが9着。サイト内台帳では1,000円に対し払戻0円でした。▲17ロブチェンが1着、×5バステールが3着となった結果を、当時の予想と比べます。疲労の仮説や斤量体重比に頼りすぎた評価と、◎に偏った買い目を振り返る記事です。
内容更新: · 公開記録の検算と、確認できる範囲を追記しました。
10点のうち、9点が本命を必要としていた
| 区分 | 組合せ | 配分 |
|---|---|---|
| 3連複 | 6–14–17、1–6–14、6–11–14、6–13–14、1–6–17、6–11–17、6–13–17 | 7点×100円=700円 |
| 馬単 | 6→14、6→17 | 2点×100円=200円 |
| ワイド | 13–18 | 1点×100円=100円 |
3連複7点と馬単2点の計900円に◎6が共通します。券種や相手を増やしても、本命9着という結果に対しては同時に不的中になりました。別枠のワイド13–18も、13番2着に対して18番14着で不的中です。
▲17が1着、△13が2着でも、3着の5番を候補から外したため、3連複5–13–17は買い目にありません。見直しには「本命を変える」「5番を加える」「予算をどこから振り替える」の3つの判断が必要です。結果を見て的中する1点だけを足しても、同じ1,000円で事前に選べたことにはなりません。
台帳ではこの予想をv1.4.1として集計していますが、元の予想本文にはv1.4という記述も残っています。本稿は台帳の版区分を使い、元の文章は変更していません。この表記差があるため、版名だけで個々のルールの適用有無を断定せず、掲載された採点・買い目を確認します。
照合元:当時の最終買い目、成績台帳。CFIやKWMRの変更でこの全配分がどう変わるかを固定した比較は、掲載資料にはありません。
01 — Race Result
着順と全点不的中の記録
以下はサイト内結果に記載された着順と、事前予想の印です。記録の勝ちタイムは2分22秒7、馬場は良。ペースの評価は当サイトの解釈です。
| 馬名 | 事前印 | 着順 | 人気 | 上がり3F |
|---|---|---|---|---|
| ロブチェン | ▲ 単穴 | 1着 | 1 | 33.2 |
| パントルナイーフ | △ 連下 | 2着 | 4 | 33.4 |
| バステール | × 消し | 3着 | 11 | 34.0 |
| ゴーイントゥスカイ | ○ 対抗 | 4着 | 3 | 32.8 |
| リアライズシリウス | △ 連下 | 7着 | 2 | 34.6 |
| ライヒスアドラー | △ 連下 | 8着 | 5 | 33.8 |
| コンジェスタス | ◎ 本命 | 9着 | 6 | 33.6 |
| エムズビギン | ☆ 特注 | 14着 | — | 34.7 |
前号のオークスでは本命を含まないワイドが的中しましたが、今回はワイド13–18も不的中でした。CONF88は当時の独自評価であり、的中確率88%を意味しません。
◆ 買い目に含まれなかった3連複5–13–17
サイト内結果の払戻は100円あたり14,280円。本線には6–13–17がありましたが、5–13–17はありませんでした。これは記録上の比較であり、結果を知った後の置き換えで予想精度を評価することはできません。
02 — Pace Anatomy
ペースの記録と想定した位置取り
サイト内記録の前半1000mは1分00秒7で、当時の予測レンジ60〜61秒台に入りました。ただし、区間タイムの一致だけで、馬場の有利・不利まで正しく読めていたとは判断できません。
| 距離 | 200 | 400 | 600 | 800 | 1000 | 1200 | 1400 | 1600 | 1800 | 2000 | 2200 | 2400 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 通過 | 12.3 | 23.2 | 35.6 | 48.2 | 1:00.7 | 1:12.9 | 1:25.0 | 1:36.9 | 1:48.5 | 1:59.7 | 2:11.2 | 2:22.7 |
| 区間 | 12.3 | 10.9 | 12.4 | 12.6 | 12.5 | 12.2 | 12.1 | 11.9 | 11.6 | 11.2 | 11.5 | 11.5 |
当時はコンジェスタスが好位から伸びる展開を想定していましたが、結果は9着でした。掲載表の最後の600mは11.2–11.5–11.5秒、合計34.2秒です。旧稿はその一つ前からの区間を「残り600m」と記していたため訂正しました。ペースと位置取りは検討材料ですが、疲労や能力の差をこのラップだけで確定することはできません。
03 — Critical Error
実測していない疲労を重く扱った判断
当時は、皐月賞で速い時計を出した馬に疲労が残ると仮定し、ロブチェンを▲、別路線のコンジェスタスを◎にしました。ただし、レース時計から筋肉の損傷や残存疲労を測定したわけではありません。
◆ 疲労を重く見た評価は結果と合わなかった
ロブチェンは1着でした。この結果は今回の減点を見直す材料ですが、「疲労がなかった」「能力が必ず疲労に勝る」と証明するものではありません。実績と未測定の疲労仮説を同じ強さの根拠として扱ったことが課題です。
当時の修正案:CFIの減点幅に上限を設け、実績上位馬を未測定の疲労仮説だけで降格しないようにする。減点の上限値や効果は、この1戦では検証できていません。
04 — Excluded Horse
×バステール3着 ── KWMR「ハード閾値」運用の誤り
バステールは当時KWMR12.39%を理由の一つとして×評価でした。KWMRは斤量を馬体重で割った比率です。12%を超えると坂で失速するという境界は、本稿では実証されていません。
KWMRの値だけで1着や3着以内の可能性を判断することはできません。今回の反省点は、暫定的な基準を「買い目から完全に外す」判断まで広げたことです。
当時の修正案:KWMR閾値超過馬を「排除」ではなく「減点」として扱い、想定ペース(スロー時は減点を緩和)と掛け合わせるソフト閾値へ移行する。重度ペナルティ馬であっても、ヒモ(3列目・ワイド相手)としては必ず残す運用へ改める(後述 v1.4.2)。
05 — What Worked
上位候補の結果と解釈の限界
上位に来た候補も記録します。ただし、印を付けた馬が好走することと、買い目が的中すること、評価ルールの効果が確認できることは別です。
△パントルナイーフ(2着)の評価
△パントルナイーフは2着でした。当時は前走内容を踏まえて候補に残しましたが、「大敗した分だけ疲労が少なかった」と確認できる測定値はありません。また、皐月賞からダービーはともにG1で、格下げ出走の事例ではありません。
○ゴーイントゥスカイ(4着)の記録
○ゴーイントゥスカイは4着で、サイト内記録の上がり3Fは32.8秒でした。終盤に速い脚を使っても3着以内には届かなかった、という結果として記録します。
今回の買い目は、▲1着・△2着という候補の好走を払戻につなげられませんでした。◎の選定、×にした馬の扱い、買い目の組み方をそれぞれ見直す必要があります。
06 — v1.4.2 Update
model v1.4.2 ── 3つの修正項目
今回の結果を受け、当時のmodel v1.4.2に記録した修正案は次の3項目です。効果は後続レースで検証する必要があります。
| 概念 | 作用ファクター | 見直した判断 |
|---|---|---|
| ⑩ クラス優先オーバーライド Class-over-Fatigue Override | CFI / メタ認知 | 実績馬を疲労仮説で降格した評価(ロブチェン1着) |
| ⑪ KWMRソフト閾値 Soft-Threshold KWMR | KWMR / 資金配分 | 重度ペナルティ馬を完全排除した硬直運用(バステール3着) |
| ⑫ 本命・絶対能力フロア Honmei Ability Floor | 本命選定 / 軸構築 | 「新鮮さ」優先で能力下位を本命にした過信(コンジェスタス9着) |
⑩は疲労仮説による減点の抑制、⑪はKWMRだけで候補を外さないこと、⑫は本命選定時の実績確認を意図した当時の案です。別の軸を含む買い目も検討しますが、追加すれば的中するというルールではありません。
07 — Conclusion
回収率0%から見直すこと
日本ダービーの記録は◎9着、投資1,000円・払戻0円です。CONF88という独自評価も、この1戦では結果につながりませんでした。
評価上の課題は、実測ではない疲労の仮説と、検証されていないKWMRの境界を重く扱ったことです。結果の理由を一つに確定せず、どの根拠で候補を上げ下げしたかを残します。
▲ロブチェンと△パントルナイーフは1・2着でしたが、◎コンジェスタスは9着、×バステールは3着でした。一部の印が合っていたことを、モデル全体の成功として扱わないようにします。
「クラス優先」「KWMRソフト閾値」「本命・絶対能力フロア」は、当時のmodel v1.4.2の変更履歴に記録した案です。今後の回顧でも、元の予想と見直し後の解釈を分けて確認します。
References
参考文献・出典
金額・印・着順は以下のサイト内記録を参照しています。評価理由と修正案は当サイトの解釈です。
参照先のレース記録と公式結果は同一ではありません。本稿の照合範囲はサイト内の予想・結果記録と台帳です。
※ 本稿の収支は公開した配分と結果の計算です。実際の購入を証明するものではありません。馬券の購入は20歳以上の方ご自身の判断・責任のもと、生活に支障のない余裕資金の範囲でお願いします。